流通ネットワーキング「2021年3・4月号 掲載 「国際物流総合展」にSCM改革と物流DXのヒントをつかみに行こう!! |
1.はじめに:国際物流総合展2021へ行こう!! 今年も国際物流総合展の開催の時期が近づいてきた。毎回、運送や物流に関連する ソリューションやマテハン機器やロボットなど、ソフトとハードの両面で 最新の情報を得られる素晴らしい機会であると私は思う。 私は、運送・物流業のコンサルティングを生業にして15年目になる。 これまで延べ800社8000人以上の方に物流現場改善や生産性向上指導などの 物流人財教育をお客様先の現場に入り込んで行ってきた。 弊社の「ロジクエストアカデミーPremiumClass」という会員組織でも、 毎月、会員企業様に物流資格取得講座などで物流を教えている。 さて、物流教育において座学で学べることもたくさんある。 しかし、実際に運送・物流現場で働く仲間には、 自分の目で他社の現場に導入されている、 物流システムやマテハン機器やロボットを見て、 触って、導入した人の話を聞いて学ぶことが重要だと伝えている。
なぜなら、私はこの15年間、「現地現物主義」を基軸として 人を育ててきたからである。現地に足を運び、現物をみて、 触れることで、事実に即して物事を客観的にみようという姿勢が養われるからである。
物流における学びの「場」の1つが国際物流総合展だと私は考えている。
普段の忙しい仕事場から離れて、物流展で自社の現場の課題解決や 改善のヒントを得られる良いきっかけや気づきにつながるので、 毎回、コンサルティング指導先や研修先の経営者、幹部、現場管理者には必ず行くように指示している。
特に見学に行った際に3つのお願いをしている。1つ目は、 展示ブースの出展者と積極的に名刺交換して情報交換をすること。 2つ目は、無料セミナーがたくさんあるので、1つでも多く参加してくること。 3つ目は、物流展で見たり、聞いたりしてきたことを実際の自分の現場の仕事に取り入れて改善すること。 最近は、荷主やお届け先のお客様の物流に求める 「品質」や「スピード」に対しての評価が厳しくなっているため、 定期的な改善成果の報告が欠かせなくなっている。 人手不足の中での生産性の向上、出荷精度の向上、 労災など事故ゼロ、物流情報システムの再構築、コールドチェーン対応など物流の課題は山積みである。 そんな多くの課題に対して、解決のヒントに繋がるのが日本唯一・アジア最大級の国際物流総合展なのである。 今回の物流展は、初の愛知県の開催であり、世界的に品質管理で名高い、 トヨタ自動車の地元での開催となり、トヨタL&F、 トヨタ自動織機などが出展するので、品質管理に関する現場改善の ノウハウをたくさん学ぶ機会になると考えている。 物流展の出展分野は、1.保管機器システム2.仕分けシステム 3.ピッキングシステム4.搬送システム5.産業車両6.運搬車両 7.パレット&コンテナ8.3PL(サードパーティーロジスティクス) 9.トラック10.物流機器部品11.エンジニアリング&コンサルティング 12.情報機器&ソフトウェア13.保管&輸送サービス 14.物流施設開発&投資15.出版&団体など多岐に渡る。 400社以上の出展社が、人手不足による運送・物流現場のDX化推進、 SCMなど、喫緊の物流課題解決のヒントを提供してくれるはずである。
2.新型コロナウイルスによるサプライチェーンの寸断・停滞の影響 昨年は、中国で端を発した、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が、 2020年3月頃から日本、欧米へと波及し世界各国の政府が移動制限やロックダウンなどの措置を導入した。
これにより、各国の製造業の事業所・工場の操業停止や物流の寸断などにより サプライチェーンの混乱が発生した。また、欧米各国やアジア諸国での 消費意欲が減退し、輸出額も縮小の流れとなり需給の両面から世界各国の経済悪化が深刻化した。
特に日本においては、中国に関連するサプライチェーンの寸断の影響を大きく受けたが、 新型コロナによるサプライチェーンへの影響は、7つのパターンに集約される。
1.国内外経済縮小による生産・受注減 2.政府・自治体による移動・操業制限措置に伴う生産停止 3.工場内での感染防止策による生産効率の低下 4.操業はできるものの、公共交通機関停止で従業員の通勤が不可または困難になることによる稼働率の低下 5.自社は操業できる状況でも、原材料や包装資材などの国内外サプライヤーの 操業が停止したため、生産が困難に直面 6.航空便の減便による輸送コスト上昇、手配困難、航空便停止による輸出入不可 7.税関の人員体制が最低限の人数に抑えられるなどで通関のスピードが落ち、物流に遅延が発生 このようなサプライチェーンの寸断は、2002年:SARS(重症急性呼吸器症候群)、 2009年:新型インフルエンザ(A/H1N1)とは比較して、想像がつかないほど、 急速に拡大し続けている。過去を振り返ると、 2002年11月当時、私は筑波メディカルセンター病院の購買管理課にて 医療材料や機器、医薬品調達を担当していた。 「SARSコロナウイルス」による全身性の感染症が中国の広東省で発生したと 病院に情報が入り、患者が運ばれてきた時のために 「N95マスクやサージカルマスク」や「ゴーグルやフェイスシールド」 の手配に追われたのを覚えている。 この時に「コロナウイルス」という言葉を初めて知ることになったのだが、翌年の 2003年3月12日にWHOから「グローバルアラート」が出されて、 一時的に緊張感が高まったが、同年7月5日に1年経たずに終息宣言が出された。 新型コロナウイルスも、飛沫感染が主な感染要因という点も似ていたので、 1年ぐらいで終息するだろうと個人的に安易に考えていた。 しかし、まさか、ここまで新型コロナウイルスの感染症が パンデミック(世界的大流行)により、物流面においてサプライチェーンの 寸断・停滞まで引き起こすことに繋がるとは想像がつかなかった。 多くの企業でもここまでの経済の停滞につながるとは思わなかったのではないか。 今後も、何年先かはわからないが、他の感染症で供給網寸断がおこることは想定される。 備えあれば患いなしともいうが、今後の対策準備をして徹底しておかなくてはならないと私は考える。 そこで、大手企業以外はほとんど導入が進んでいない、 「BCP(事業継続性計画)」を導入することが必要だと私は考えている。
内閣府の調査によると、2018年の時点で大手企業の約64%、 中小企業で31.8%がBCP策定済みといった状況で、大手企業を中心に普及している。 しかしながら、日本企業の9割を占める中小企業では、BCP策定率が50%にも満たないのが現状である。 今後、サプライチェーンが一時的に寸断してもすぐに復旧できるように、代替えできる 調達先や在庫拠点の見直しなど「自社の物流のあり方」も含めて、 一度立ち止まって自社のサプライチェーンマネジメントを総点検する時である。 しかしながら、物流現場に目を向けるといまだアナログ物流で管理している現場が多く、 様々な情報が紙ベースで記録し保管されているため、 情報の共有がなされていないのが現状である。 そんな物流現場の状況を変えていくためには、現場のデジタル化を進めていかなくてはならないと私は考えている。 3.物流現場の「物流活動DX化」と「2025年の崖」 ここ数年、物流業界のデジタル化とかDX(デジタルトランスフォーメーション) という言葉をよく業界誌などで目にする。でもその意味や必要性を本当に 物流現場のメンバーや管理者が理解できているか?というと なぜなら、運送・物流業は、現場社員に名刺も支給されない、 パソコンが1人1台支給されていない中小企業も多く、 ITリテラシーが低い業界の1つだからである。今回、コロナ影響を受けて、 社内で物流センターとWEB会議をしようとしたら、 デスクトップの画面を会議室に移動させて複数人で見て参加しよう。 また、ノートパソコンを繋いだら声はしても画面が見えないと思ったら、 カメラがついていないなどと、デジタル化がまだまだ進んでいない 状況が浮き彫りになった現場も多かった。 昨年も、ある物流企業の経営者や幹部の方から 「清水さん、うちも社内の業務をもっとデジタルを活用して DX化していかないといけないよ!どうしたあらいいかねー」とコンサルティングの相談を受けた。
その相談の会話の中で気がついたのですが、 「デジタル化」「DX化」とはどういうことを意味するのかを どうも理解していないようなので、 2つのデジタル化の話をして説明してようやく、デジタル化について理解していただけた。 ★「デジタル化」には2つのデジタル化がある。 ◆1つ目のデジタル化は、「アナログデータをデジタルデータに変換することです。」 具体的に言うと、FAX受注をメールによってデータでやり取りするとか、 紙ベースのモノをパソコンのエクセルなどのデータに変換することである。 基本的に、扱うデータはデジタル形式に変わっているのですが、 人が行う「業務プロセス」は全く変わっていない。 ◆2つ目のデジタル化は、「現在の仕事をデジタルデータに基づいて変革し、 新しい価値を生み出すことである」 どの地域にいつ人が集まっているのか?をスマホのアプリで 収集した位置情報を分析して飲食店がマーケティング施策を行い、 営業施策を変え、売上を上げる。 また、ドローンで畑の作物を撮影した画像から農作物の 病害虫を発見するなど、取得したデータから、 今後の行動改善に繋がる傾向を見つけることなどである。 これまで、運送・物流現場の人手で行っていた作業やプロセスを 効率化したり、荷主や顧客が喜んでもらえるサービスを提供したり、 ビックデータから新しい価値を見つけて新しい物流サービスを生み出したりする 「デジタル化」のことを「デジタル変革」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言う。 ★DXとは、簡単に言うと、テクノロジーの力によって、 現在の仕事のしくみや経営を再構築(リストラクチャリング)することである。 例として、ライドシェアサービスのウーバー(UBER)です。 ウーバーは、車もドライバーも所有せず(ノンアセット型)、 ドライバーと乗客をアプリでつなぎ、その対価として手数料を得る。 これまでにないビジネスモデルをデジタル技術で生み出した。 このように、新しいデジタル技術 (クラウド・ソーシャル・ビッグデータ・モバイルなど)をフル活用して 新しいビジネスモデルや革新的なサービスを創出して市場を獲得することをDXと呼んでいる。 これからの運送・物流業の発展のためには、 DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現していくことが重要なのですが、 先ほど述べたように、アナログ業務の多い運送・物流業界では、 インフラすら整っていないので、思うようにDXを進められないのが実態である。 このような状況の中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を 別に進めなくても何とかなるんじゃないか?と思っている経営者がいたら大変危険である。
なぜなら、経産省が2018年9月に公開した報告書で、 「企業(経営者)がデジタル化を放置した場合、 2025年に経済的損失が生じる可能性がある」というシナリオを発表している。 通称、「2025年の崖」と呼ばれるものである。 そのシナリオの経済的損失が生じる可能性の「5つのポイント」とは? 1.自社でDXを進めるために、ある程度の投資は行われるが 実際のビジネス変革には繋がっていない 新しいデジタル技術を導入したとしても、データの利活用・連携が 限定的であるため、その効果も限定的となってしまう セキュリティ上のリスクも高まる 生じる可能性がある 多くの企業がDXを進めていかないと、大きな損失につながるということを警告している。 これから、運送・物流現場では、益々人手不足、ドライバー不足が深刻になっていく。 取り組んでいかないと会社の存続そのものが危うくなうのである。 我々運送・物流業界は、いまだに手積み、手下ろし、 手書きのアナログの世界である。伝票や情報のやり取りも紙でのやり取りも多く、 IT投資をしていない中小企業が多いのが実態である。 でも、このままのアナログ作業中心の業界では、 昭和的な根性と気合で何とかする現場のままで、 若い人が集まらない人気のない業界になってしまう。 何とかしないといけない状況をもっと深刻に受け止める 必要性があると私は多くの運送・物流業の経営者には伝えている。 4.中小企業の物流現場の「アズ・ア・サービスモデル」とは? 上記のように物流のDX化を進めていかなくてはならない状況の中で、 多くの中小企業の現場では、10年、20年前に導入したシステムや マテハンが老朽化してきていて、そのソフトの入れ替えや 修繕費用の高さに現場の責任者が対応に苦慮している現場が多い。 私のお客様先でも、先日、「清水さん、ちょっとマテハンのコンベアの 修理にくるだけで、メーカー側から30万円、40万円軽く請求が来るし、 新しいソフトウェアの入れ替えや機器の修繕で3千万円の見積もりが来て驚いた」という話もある。 そもそもマテハン機器を最初に導入した担当者が会社を辞めている現場が多い。 契約当時に10年も、20年先も既存のマテハン機器を 使うことを想定していない契約内容であるため、 「いつ入れ替えて更新する」という概念がそもそもなかったのである。 それじゃ更新を検討するとなると、既存のマテハンの撤去、 入れ替え、移転先物流センターへの引っ越し、また戻ってからの運用となると、 ざっくり見積もっても億単位の金額となる。景気のよかった時に マテハン機器を導入した現場が多いので、そもそもそんなお金がないのである。 また、既存のマテハン機器も、あと何年使えるのかもマテハンメーカーでは、 過去に経験も、指標もないし、保証もできないのである。 マテハン機器メーカーの言い分では、早く入れ替えるべきである。 新しい方がスピードも早いし、壊れない。ごもっともである。担当者は畳みかけて言う。 「もう修理ができるエンジニアが少ない」、 「機器の保証期間も過ぎていてパーツや部品もいつまで提供できるかわからない」 「新しくOSを入れ替えないとマテハンが稼働しなくなる可能性がある」etc・・・ だから、早急に入れ替えましょう! でも、物流企業では、ない袖は振れないのである。 そんな中で、解決策の1つとなりそうなのが、2018年に大和ハウス工業と ダイワロジテックが千葉県市川市の物流施設「DPL市川」2階に、 AI・Iot・ロボットを活用した、新しいシェアリングモデルの物流施設である。 物流施設は、テナントが床を坪単位で借り上げる賃貸借方式で運用しているが、 テナントが実際に出荷した商品の物量や長期保管した商品量によって、 施設使用料が決まる「従量課金制」の物流サービスを提供するものである。 大和ハウスグループが物流施設や作業員、設備(マテハン機器やロボットなど)、 システム等をトータルで提供し、物流サービスを利用した分だけ料金を支払う 「従量課金制」を導入したことで、テナント企業は物流に関する初期投資コストを削減し、 将来のマテハン機器やロボットの入れ替えコストを心配しなくてよくなるのである。 この他、3PL大手の日立物流も2019年9月から、新たなEC物流代行サービス 「スマートウエアハウス」を開始している。自動梱包ラインや無人搬送ロボットなど、 通常であれば多額の初期投資が必要な設備を「従量課金制」で利用することができる。 保管料などは物量に応じた「従量課金制」のため、 業規模の拡大に合わせて保管スペースを拡張することも可能である。 2社ともに、モノをサービス化する「アズ・ア・サービス(as a Service)」 モデルの1つである。顧客のコストダウンを図るものであり、 マテハン機器の定期的なメンテナンスや定期的に最新の機器を提供してもらえる点では、 借り手側の視点にたった良いサービスである。 これからは、モノを所有する時代からシェアやサブスク、 もしくは使った分だけの課金制の時代へと徐々に変わりつつある。 「Laas(Logistics as a Service)」を活用する企業は増加するだろう。 荷主の目的は、できるだけお金をかけずに最新の物流施設や設備を利用して、 ミスなく効率的に安定して稼働させるたい。これが実現可能となるだろう。 今後、国交省の2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会提言」に出ている、 多くの物流現場の課題がLaasの活用によって1つでも多く解決することを期待したい。 5.おわりに:物流DX化とSCM改革は待ったなし 新型コロナの感染拡大がいまだ止まらぬ世界において、 米国製薬大手のファイザーがドイツ製薬ベンチャーのビオンテックと共同開発し、 米国で初めて承認された新型コロナウイルスワクチンの 全米向けの出荷が2020年12月13日から始まった。
ファイザー製のワクチンは、摂氏マイナス70度程の超低温で保管する必要があり、 物流における温度管理が大きな課題になっている。 今後、ワクチンを運ぶ「コールドチェーン(低温物流)」 の拡充や整備が課題となる。 ワクチンは到着後、超低温冷凍庫に保管するか、 摂氏2~8度の病院の冷蔵庫では5日間保存できる。 超低温冷凍庫では、ワクチンの保管期間を最長6ヵ月まで 延ばすことが可能である。または輸送時に使われる 「特別なファイザー製の容器」にドライアイスを補充することで最大15日間保管できる。 一度解凍すると、バイアルを再び凍結することはできない。 このような状況において、ワクチンの配送には綿密な サプライチェーンマネジメントが必要で、工場から病院、 そして患者さんの接種まで、いつ、どこで、誰が、 どのようにワクチンを保管、配送、引き渡ししたのか?などの トレーサビリティ管理が必須となる。 様々な問題もあるが、全世界に効率的なサプライチェーンマネジメントによって、 最速でワクチンが行き渡り、新型コロナウイルスの1日も早い終息を願わずにはいられない。 まとめとして、2000年頃から急速にインターネットが普及し、 世の中のIT化、デジタル化が急速に進んだ。ネットさえつながればどこでも、 通信販売の拡充などによりパソコンでワンクリックすれば、 世界中の商品を簡単に購入できるようになった。その結果、 日本のモノづくりの生産拠点も、より人件費の安いASEAN諸国に移っていった。 また、世界中のサプライチェーンが複雑化し、部品やパーツなど調達する 距離も長くなり、より早く遠くまで届ける航空貨物も増加した。 物流のお届けするスピードも急速に加速し、日本では、 「当日配送」「時間指定配送」は、当たり前となり、 各社が物流の品質とスピードUP向上のために日夜努力を重ね、しのぎを削っている。 このように、世界各国からモノを調達し、複雑化し、 スピード化したサプライチェーンのバランスが、 今回の新型コロナウイルスの感染拡大を契機として崩れた。 世界各国の「モノの生産体制」や「物流ネットワーク」「人の移動」 の3つのうち、1つでも寸断されるとサプライチェーン全体の停止 ということに繋がり、経済の停滞を招くこともわかった。 今後は、今回の失敗に学び、何があっても 「強靭で持続可能な物流ネットワーク」を作っていくために、 物流をさらに進化させていかなくてはならない。 最後に、近い将来、ほとんど人のいない、 マテハン機器やロボットだけで稼働する物流センターが たくさんできる来るかもしれない。しかし、 そのマテハン機器やロボットを作って、効率よく、 誤出荷やミスが少なく、品質をよくする方法を考え、活用するのは人間である。 「品質=人質」と私は講義で良く話をしますが、 人財を育てていかなければ、効率の良い物流現場づくりはできない。 頭で考えるだけでなく、物流現場に入り込み、パート・アルバイト社員と 一緒にピッキングや検品、梱包作業を実際にやってみることが大切である。 現場の作業にこそたくさんの改善のヒントが転がっている。 「忙しいから外の展示会やセミナーに勉強に行けない・・・」 とよく運送・物流現場の管理者が言い訳を言う。 でも、現場にいるだけでは良いアイデアは浮かばないものである。 頭の中で考えるよりも、新しい物流サービスやマテハン機器の 情報収集のために展示会やセミナーに足を運び、 他社の人と話すことで「自社の常識、他社の非常識」にも気づくことができる。 3月の年度末の忙しい時だからこそ多くの問題点も出てくる時期であり、 多くの運送・物流現場の仲間に国際物流展に足を運んで たくさんの物流改革のヒントを得てもらいたい。
|