ロジクエスト株式会社 講演 メディア掲載

物流ニッポン 連載記事「人財育成・定着◆実践セミナー⑫ コーチングで現場力向上」

これまでの連載でお話させていただいたように、CS推進にしても、

あるいは現場力やチーム力の向上にしても、人と人とのコミュニケーションが重要です。

しかしながら、運送・物流業界は、転職者も多く、中々コミュニケーションがとりにくいのが実情です。

そこで、コミュニケーションは何によって生まれるのかとあらためて考えてみると、

やはり“運送・物流現場での対話”以外にないのではないかと思われます。

対話ひとつで人の心理も行動も大きく変わり、それは組織や企業の気風にも影響します。

こうした考えから、今回より運送・物流現場での対話によって相手の自己実現や目標達成を図る

『コーチング』について解説していきます。

コーチングは“引き出す”コミュニケーション

まずは、コーチングの基本的な考え方についてお話します。コーチングとは、

その名のとおり人をコーチ(Coach:指導)することですが、

似たような意味を持つ言葉に『ティーチング(Teaching)』というのがあります。

コーチングとティーチングでは、何がどのように違うのかというと、

ティーチングは、「この仕事はこのように進めてください」と、

リーダーがメンバーに仕事のやり方を具体的に指示する教え方です。

これに対してコーチングは、「この仕事はどのように進めますか?」と、

相手に質問しながら答えを引き出していく手法です。

どちらが良くて、どちらが悪いというものではなく、状況や相手に応じて効果的に使い分ける必要があります。

たとえば、新入社員の場合、知識も経験も少ないので、

会社のことや仕事の進め方などの基本を最初からきちんと教えてあげる必要があり、

それがティーチングです。一方、ある程度の経験をもった社員については、

それ相応の知識やスキルを持っていますので、コミュニケーションや対話の中で、

お互いに必要な答えをいかに引き出していくかが、コーチングのポイントになります。

つまりコーチングとは、「コミュニケーションによって相手の能力を“引き出し”て、

目標達成をサポートすること」といえるでしょう。

さらに詳しい点については、次に示すコーチングの5原則を参照してください。

  • 人間尊重の原則

相手の人格を尊重し、人間理解に立った指導によって、一人ひとりの才能を引き出し、発揮させる。

  • 相互信頼の原則

お互いの信頼関係の構築が、チームワークとコーチングの基礎。信頼関係は日常のコミュニケーションの中で醸成される。

  • 個別開花の原則

一人ひとりに個性がある。画一的な指導法ではなく、相手の資質・能力が十分に発揮できる最適な指導法を探し出す。

  • 目標協力の原則

目標を一方的に押しつけるのではなく、メンバーが目標を達成するために、リーダーとして何ができるかを常に考え、約束する。

  • 評価感謝の原則

コーチングとは、いわば褒めて育てること。一人ひとりの美点、長所、短所、成長を見逃さず、タイミングよく褒めることが大切。

チームを機能させる“リーダーシップ”

コーチングに関する以上の説明から、“リーダーシップ”という言葉が連想されると思います。

事実、『リーダーシップ・コーチング』という考え方があることからも、

リーダーシップは、指示・命令と支援による“引き出し”から成り立っているといえるでしょう。

そう考えると、メンバーとの密接なコミュニケーションにより、

各自の能力を引き出し、チームがチームとして機能したとき、

はじめてその人はリーダーとしての役割を果たしたといえるのです。

「上司だから仕方なく話をする」、「上司に言われたから従う」というのでは、

チーム力を発揮し、全体の成長は実現されません。メンバーを尊重し、

成長してもらいたいというリーダーの人間性からお互いの信頼関係が生まれるのです。

そうしたチーム運営こそがリーダーに求められる役割であり、

コーチングがいかにリーダーにとって重要なスキルであるかご理解いただけると思います。

次回より、コーチングスキルを習得するための実践的なノウハウについて解説します。

  

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